リスクゼロを求めるリスク

社会
リスクゼロを求めるリスク

日本人はリスクゼロを求めるリスクゼロ信仰が非常に強いですね。医療・投資・教育など、ありとあらゆる分野でゼロリスクを要求して無理なことを言う傾向にあるように思えます。

「何かあったらどうするんだ!保証できるんだろうな!」
このようなことは良く聞きますね。無理に決まっています(笑)
そんな保証は、この世のどこにも存在しません。

当たり前のことなのですが、リスクをとらなければリターンは得られません。ゼロリスクを求める人は、このことを理解していないのかもしれません。

リスクをゼロにするということは、当然リターンは放棄するということです。
さらに言えば、リスクをとらないことでリターンを得られないだけでなく、逆にマイナスを受けてしまうことも多くあります。

リスクゼロを求めるリスク
リスクゼロを求めるリスク 日本人はリスクゼロを求めるリスクゼロ信仰が非常に強いですね。医療・投資・教育など、ありとあらゆる分野でゼロリスクを要求して無理なことを言う傾向にあるように思えます。リスクをゼロにするということは、当然リタ....

いくつかの例で考えてみましょう。

リスクゼロを求めるリスク①:ワクチン

vaccine

ワクチンはウィルスや細菌を弱毒化・無毒化したもので、ワクチンを接種することで感染症に対する免疫を獲得することができます。
その結果として、その感染症にかかってしまう確率を下げたり、かかってしまっても重症化することを防いでくれます。

しかしその反面、ワクチンを接種することで感染症にかかってしまったりする可能性も、わずかながら存在します。ワクチンを接種することのリスクですね。

ワクチンの役割とワクチンへの考え方
ワクチンの役割とワクチンへの考え方 日本の予防接種への制度や認識は先進国の中で最低レベルです。そして何かあるとすぐに反ワクチンの運動が起こるのも日本の特徴です。ワクチンに対しての正しい理解が広がり少しでも多くの命や健康が守られてもらいたいと思います。

ワクチン接種に対してゼロリスクを求めるのであれば、当然ワクチンを接種しないということになります。リスクゼロのワクチン接種は存在しません。

ワクチンを接種しなければ、感染症に対しての免疫を得るというリターンを放棄するということですから、接種した人と比べると感染したり重症化する可能性は高まるということです。
さらに言えば感染することで、他人にも移してしまうかもしれないというデメリットも生じます。

リスクゼロを求めるリスク②:投資

investment

日本人の投資嫌いは有名ですね。投資は資産を増やすことができる可能性がある反面、元本を失うリスクも存在します。
得をする可能性もあるけれど、損をする可能性もあるということですね。

もちろん、しっかりとした知識を学んで運用することでリスクを小さくすることはできますし、リターンを得られる可能性は非常に高いと思います。
しかし、投資をする限り絶対にリスクはゼロにはなりません。

リスクをゼロにするためには、投資をしないという選択肢しかありません。リスクゼロの投資は存在しません。

投資をしなければ、当然投資をしていた時に得られたであろうリターンは得られません。
さらに言えば、ずっと預金のみしていたとしてもインフレした場合には実質的には資産 が減少してしまうというデメリットも生じます。

リスクゼロを求めるリスク③:子供の外遊び

education

最近子供の外での遊びに、制限や禁止が非常に増えましたね。公園でのボール遊び禁止、木登り禁止、自転車禁止などなどです。
禁止でないことも、親が危ないからと言ってやらせないことも多いように思います。

禁止などをすることで自分が怪我したり、他人に怪我させてしまうリスクを減らすことはできます。
しかしその反面、子どもたちは様々な学びを失っています。

  • 周りの人にボールをぶつけてしまったことで、今後はぶつけないようにしようと他人を気遣う気持ちを学ぶこと。
  • どんなことをすると怪我をしてしまうのかということを理解すること。
  • 色々なことに挑戦すること。

これらを学ぶ機会を奪っているのです。リスクゼロを求める結果、子どもたちから学びを奪っています。

<適切なリスクをとる>

appropriate

リスクをとらなければ、リターンは得られません。そのリターンは人生において必ずしも必要でないものから、必要不可欠なものまで様々です。

リスクをとらなくてはならないときは必ず存在し、リスクゼロを信仰している人も必ずリスクを許容しています。
車に轢かれるかもしれないから、一生外出しない人なんていませんよね。

リスクというものは必ず存在しゼロにはできません。結局、リスクから逃げるのではなく、「どのようにリスクをとるか」ということを考える必要があります。

つまり、適切なリスクのとり方を学んで考える必要があるということです。
「適切なリスクのとり方」を参照してください。)

適切なリスクのとり方について、よく考えてみてくださいね。 その先のリターンについても良く見えるようになってくると思います。