医学部不正入試問題から医療の現状を考える

医療 教育
医学部不正入試問題から医療の現状を考える

平等とは何か?

平等とは何か?

不正入試問題が話題になったときにメディアも世論も一様に不平等、不公平と非難しました。一体何をもって不平等、不公平と言っているのでしょうか?

  • ●医師として貢献できる年数が長いであろう人間に加点することはそこまで間違っているのでしょうか?その人間には税金を投入しているのです。
  • ●受験生への不平等、不公平を許さないのに過酷な環境で働いている医師は不平等、不公平だとは考えないのでしょうか?
  • ●受験生への不平等、不公平を許さないのに地方の医療が崩壊して地方の人たちが医療を満足に受けられなくなったとしてもそれを不平等、不公平とは言わないのでしょうか?

受験の際に性別や年齢などで差をつけることは現在の医療を維持するための手段なのです。

個人的にはその加点や減点のようなシステムを公表しておいた方がフェアではあると思いますが、公表したところで世論やメディアがそれを受け入れず問題になるのも目に見えています。やむを得ないやり方であったとも思います。

最終的に性別や年齢などで差をつけない受験にすることはもちろん反対ではないですが、そうするにはまだまだ準備が必要です。

今回の一件で現場の過酷な状況の医師たちや地方医療がさらに追い込まれないことを祈るばかりです。

無知で非難することは無責任極まりないし罪ですらあると思います。 特にメディアは「真実」を報道してほしいと思います。

これからの在り方

これからの在り方

東京女子医科大学という世界でも珍しい女子のみしか入学できない医学部の大学が日本にはあります。女子のみということに関して世論は基本的に不平等とは捉えないようですのでこのように大学ごとに性別や年齢における差を公表するべきかと思います。

そしてそれを国民が許容するようにならなくてはならないと思います。現状では男女や年齢で差をつけないことは難しいと思います。

もしそこに差をつけないようにするには患者である国民自身が寛容にならなくてはならないと思います。

病気になったらすぐに診てほしい。手術は上手な医師にやってほしい。成功しなかったら訴訟を起こす。

こんなことでは現場に余裕はできません。余裕がなければフォローもできませんから女性は厳しくなります。

また人員に余裕を持たせるためには労働環境の改善が必要です。

そのためには国民自身が無駄に医療を使うようなことを辞めなくてはなりません。 現状は本当に必要でない医療が蔓延しています。

医師の給与は一般的には高いですが、労働時間やリスクなどから考えて時間計算したらシビアなものです。サービス残業なんて当たり前の世界です。医師の給与を下げろという人がいるのであれば1860時間残業してみればいいと思います。365日24時間呼ばれる可能性を考えて職場の近辺にい続けなくてはならない生活をしてみたらいいと思います。

結局女性や年齢に関係なく平等性を求めるのであれば、医師の労働環境の改善が必須です。平等性を求めなくても必要ですが。

そしてそのような話になると国がやること、病院がやること、という感覚を日本人は持っています。それこそが間違いであり考えを改めるべきです。

好きな時に好きな病院に行けるのは日本だけです。日本の医療は高水準でしかも安価です。

それに反して他の先進国と比べても患者の自分の身体を自分で守るという自己責任の意識は非常に低く非常に病院に依存しています。

そしてどれだけ自分たちが恵まれているかを理解せず更なる権利の要求ばかりしています。そしてそれこそが医療現場の過酷な労働環境を作り出している最大の原因です。

不平等、不公平と批判ばかりする前にまず自分を省みることをしなくてはなりません。

このままだと医療は崩壊します。本当の弱者が医療を受けられなくなり、未来の世代も医療が受けられなくなってしまいます。それを防ぐには国や病院ができることは限られています。

最も有効で重要なのは誰もが病気にならないように生活を見直し予防をすることです。 そしてそれは未来の世代を救うことにもなるのです。

固定ページ: 1 2