円安は政府の責任

社会

現在、急速な円安が進んでいます。もはや1ドル145円目前です。

円の通貨としての実力を示す「実質実効為替レート」は、51年前の水準まで低下しています。

円安というのは

  • 日本の法定通貨である「円」の価値が、他の通貨に比べて低くなること

を意味します。

もちろん円安は日本にとってプラスになることもあります。輸出産業などがそうです。輸出産業は、円安になることで利益が増えます。

しかし、輸入産業は逆にマイナスです。食料や原油などの資源などについては、現在特に深刻です。

また、円安によって日本が他国に比べて安くなるということもあります。

海外からの旅行者が日本のものをたくさん買ってくれるのは良いことではありますが、外国人が買うのはそれだけではありません。

円安は、日本の土地・水源・企業・人材なども外国人が買いやすくなるということを意味します。

元々これらの日本の資産は外資に買い漁られている状態でした。そのうえ円安が急激に進めば、日本買いが加速することは確実です。

居住地が海外にある外国人と思われる者による2018年の森林買収の事例:北海道

都道府県 取得者の住所地 利用目的
北海道

香港

資産保有

マカオ

資産保有

カナダ

不明

タイ

不明

フィリピン

不明

タイ

不明

オーストラリア

不明

香港

資産保有

香港

不明

英領ヴァージン諸島

不明

英領ヴァージン諸島

不明

香港

不明

香港

不明

シンガポール

資産保有

タイ

資産保有

香港と中国の共有

資産保有

香港と中国の共有

資産保有

オーストラリア

資産保有

香港

未定

中国

資産保有

香港

資産保有

合計

21件

ですから現在のような急激な円安は、日本にとっては危機的な状況と言えるものなのです。

円安の原因

現在の急激な円安の原因は、「金利差」です。

アメリカをはじめとする世界各国は、コロナ茶番の終了やウクライナでの戦争による資源価格の高騰によって、物価上昇であるインフレが続いています。

そのため、過度なインフレにならないように、インフレ対策である利上げを行っています。いわゆる「金融引き締め」です。

アメリカの中央銀行であるFRBが大幅な利上げを繰り返していて、世界各国の中央銀行もそれに倣って相次いで利上げをしています。

そのような中で、日本は相変わらずの「金融緩和政策」を続けていて、利上げを全くせずに利率はほぼ0のままです。

2022年:各国政策金利

国名 政策金利名 金利
日本

超過準備預金の金利

-0.1%

米国

フェデラルファンド金利

3%~3.25%

ユーロ

中銀預金金利
リファイナンス金利
限界貸付金利

0.75%
1.25%
1.5%

英国

準備預金金利

1.75%

世界の中でも日本は際立った存在になっているのです。

利上げをするということは、その国の国債の利率や銀行の利率が上がるということです。

お金を運用する立場としては、当然ながら利率の低い所より高い所に預けようとします。

利率の高い国の国債を買ったり銀行に預けたりするためには、その国の通貨が必要になります。

例えばアメリカの国債を買ったり、アメリカの銀行に預金するには、ドルが必要だということです。

ですから、基本的には利率の低い通貨が売られて、利率の高い通貨が買われるということが起こります。

そのため、利率の低い日本の「円」が売られて、他の通貨が買われることで、円安が進行しているということです。

日本が利上げをできない理由

ということは、日本の中央銀行である日銀も利上げをして金利差を埋めていけば、円安を止めることが可能になります。

では日銀の政策が間違っているから円安が進んでいるのかと言えば、そうではありません。日銀は利上げしたくてもできない状況にあります。

そもそも利上げというのは、インフレ率を下げることが目的です。言い換えると、景気の過熱を抑えて景気を抑制する作用があります。

利上げをすることで、国民は銀行から住宅ローンなどを借りにくくなりますし、企業も設備投資などのためのお金を借りにくくなります。

つまり、利上げをすると社会に循環するお金の量を減らして、デフレ化(不景気化)させるということです。

ですから、不景気の時に利上げをするというのはその国の経済をさらに悪化させるということになります。
要するに、利上げをする前提条件として景気が底堅い必要があるのです。

では日本はどうかと言えば、経済は低迷し続けている状態です。不景気と言ってもいいです。少なくとも好景気ではありません。

30年間デフレが続き、国民の給料は上がらず、経済が衰退し続けている世界唯一と言っていい国が日本です。

そのような状態の日本で利上げをするのは、もはや自殺行為です。

そのため、現在のように原油価格などが上がるコストプッシュ型の経済成長を伴わないインフレに直面しても、日銀は利上げすることが出来ないのです。

要するに簡単に言えば

  • 日本は他国と違い経済の状態が悪いため、利上げが出来ない

ということです。

現状を打破するためには

日本の経済が衰退して不景気が続いているのは、世界でも類を見ない長期のデフレによるものです。

そしてそのデフレを引き起こし続けているのが、日本政府が馬鹿の一つ覚えのように行い続けてきた「緊縮財政」です。

「緊縮財政」の具体例
公務員人件費 社会保障 自治体助成
産業助成 公共投資 教育
科学技術 国防 防災

日本政府が緊縮財政を続けて日本経済を衰退させたからこそ、日本は0まで下げた金利を上げられない国になってしまったのです。言ってみれば、日本の経済が衰退したのは、日本政府による人災です。

では日本国民は被害者かと言えば、そうではありません。消費税増税や公共事業削減などの緊縮財政を推進する政治家を選挙で選び続けてきたのは、日本国民に他なりません。

それどころか、デフレ下では増やすべき公共事業などに対して、「無駄遣いはやめろ!!」などとデフレを悪化させることを要求してきたのも国民自身です。言わば、自業自得です。

日本国民が経済に無知で政治に関心がないことが、無知もしくは日本を外資に売り飛ばそうとする売国奴の政治家に好き放題させた根本的な原因です。

ですから、現状を打破して円安誘導を止めるためには、日本国民が経済に対して正しい知識を得る必要があります。

国民が正しい知識を持っていなければ、日本政府の愚行は止まりません。政府のレベルは国民のレベルです。

逆に言えば、この先円安を止めるには日本経済そのものを建て直すしかないのです。日銀が為替介入したところで一時的なものでしかなく、円安の流れは止められません。

まとめ

  • ・現在急激に円安になっているのは、日本と他国との金利差による
  • ・日本が金利を上げられないのは、日本経済が低迷しているため
  • ・円安になるほど、日本の資産は外資に買い漁られる
  • ・日本経済を立て直すしか、打開策は無い

世界の大半が資本主義で動いている以上、資本主義の仕組みからは逃れられません。日本が他国に買われて支配されないためには、日本経済が成長することが必要不可欠です。

これまでの日本政府の政策などを見る限り、敢えて日本を弱らせようとしていることは間違いないと思われます。外的な圧力がかかっているとしか考えられません。

現在日本は危機的状況です。しかし、残念ながら危機感を持っている日本人は非常に少ないのです。

まずは日本人が現状を正しく理解し、正しい知識を得なくてはいけません。それが出来なければ、日本が日本でなくなってしまうのは確実です。

中々望みは薄いですが、一人でも多くの人が正しい知識を得ようとしてくれることを願っています。

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