救急車は有料化するべきか

医療 社会
救急車は有料化するべきか

救急車は傷病者を病院などの医療機関に迅速かつ安全に搬送するための車両のことを言い、日本では全国119番通報で出動要請ができます。

救急車には救急隊員が運転手含めて3人乗り込んでいます。

基本的に救急隊員には医療行為は認められていませんが、救命救急士資格を持っている救急隊員については医師の指示のもと特定行為と言われるいくつかの処置が認められています。特定行為として以下のものがあります。

・心肺停止状態の傷病者に静脈路の確保、器具を用いた気道確保、薬剤投与

・低血糖状態の傷病者へのブドウ糖投与

・ショックが疑われるまたはクラッシュ症候群が疑われる傷病者に対して静脈路確保

このように救急車には搬送だけでなく、病院に到着するまで命を繋ぐという役割も果たしてくれています。

(クラッシュ症候群とは挫滅症候群とも言われ、身体の一部が長時間挟まれるなど圧迫されその後解放後に起こる様々な症候のこと。致死率は高い)

救急車の出動件数は年々増加しています。

2017年は

出動件数    6,342,096件

搬送人数    5,735,915人

となっています。

出動件数と搬送人数に差があるのは搬送拒否・辞退や到着時すでに死後硬直が始まっていたなどの理由によるものだそうです。

日本では救急車を利用するのは世界的に見てもとても珍しく完全に無料です。

しかし当然ながら救急車を出動させるためには費用がかかり税金が使われています。

1回の出動に約45000円かかります。年間で約3000憶円の税金が使われている計算になります。そしてこの出動件数は5秒に1回出動していることなります。

救急車が消防署に戻れることなく動き回っていることもしばしばあるそうです。

このように日本では救急車を無料で呼ぶことができて休みなく走り回ってくれているお陰で多くの命が救われています。

しかし救急車の要請が大きな問題になっていることも事実です。

本来的には緊急性が高く自分で医療機関に行くことが困難な場合に救急車を要請するべきなのですが、そうではない場合に救急車を要請して利用する人が非常に多いのです。

「虫にさされた」

「薬がなくなった」

「風邪ひいた」

「タクシーだとお金かかるけど救急車だと無料で病院まで行ける」

「昼は待つけど夜間に救急車を利用すると待ち時間もないし楽」

このような極めて自分勝手な理由で救急車を要請する人が増えているようです。

救急車は1回の出動に約45000円の税金を使っています。税金の無駄遣いであることは明白です。

そしてこのような意識の低い人の身勝手な理由で救急車が出動して本当に救急車が必要な命にかかわるような人への到着が遅れてしまうことも考えられます。命の問題になることすらあり得るのです。

また救急医療を支えている救急隊員、医師、看護師なども疲弊してしまいます。

緊急性が低く必要性もないにも拘らず手軽に救急車を要請する最大の理由としては、やはり無料であることが考えられます。

個人的にはやはり救急車の有料化は必要だと思います。ただし本当に必要な状況であるにも拘らず金銭的な余裕がないために救急車を呼べないようになってしまっては問題ですので、医師が診察して救急車要請が妥当である状態だと判断した場合は無料になるようなシステムが良いかと思います。かつ所得制限を設けてもいいかと思います。

年収いくら以下で医師が妥当だと判断した場合は無料、それ以外は有料。そして極めて軽症であったり身勝手な理由での要請をした場合は有料に加えて罰金を科してもいいと思います。

そうすることで不必要な救急車の出動は大きく減らすことができると思います。

そして救急車を呼ぶべきか、救急外来にかかるべきか判断に困った場合は#7119の救急安心センターにまず電話しましょう。どうするべきかのアドバイスをもらうことができます。

救急車は救急医療を支え命を救うためにとても大切なものです。

制度の見直しも必要ですが、各々がしっかり考えて利用しなくてはなりません。

この記事のライター

木部雅也